郵便局のチラシにツッコミをいれる サンふじ

郵便局のチラシにツッコミをいれる サンふじ
郵便局のチラシ 2021年
郵便局のチラシ 2021年

●ふじとサンふじの違い (先に結論)

以下のような説明を見かけますが、
私の見解は違います。

「ふじは、有袋栽培で、
サンふじは、無袋栽培。」

ふじは、品種名とその果実であって、栽培方法ではない。
サンふじは、栽培方法とその果実です。
長野県下のふじは、ほとんどが無袋栽培でサンふじです。

有袋栽培のふじに特に名前はない。

有袋栽培ふじ:特に名前なし。品種名:ふじ
無袋栽培ふじ:サンふじ(全農ながのの登録商標)。品種名:ふじ

どちらも、同じ種類の木を管理します。

青森県では一部、有袋栽培のふじがありますが、
全体の20%程度です。

その昔、ふじは全部有袋栽培でしたが、
多少肌が荒れても、
無袋栽培のほうが糖度が高く美味しいと評判となり、
無袋栽培が広がりました。

無袋栽培の発祥は、1970年山形県朝日町です。

サンはもちろん太陽(SUN:サン)のことです。

サンふじは全農長野(農協の上部団体)の登録商標なので、
農協を通らないふじをサンふじと呼ぶのは、
適切でない、と考えています。

実際には、農協を通らない道の駅や直売所でも
サンふじは並んでいます。

全農ながのとは関係なさそうな、
青森産サンふじとか、山形産サンふじも
ありますので、
全農長野の許可取ってますか、
という感じですが、

全農長野に電話で聞いてみたら、
特に登録商標権で争うとかいう姿勢はなく、
みんなで使ってくれればいいという
回答でした。

太陽光をいっぱい浴びて育つサンふじ ↓↓↓↓

黄葉のなかのりんご  20211117
黄葉のなかのりんご  20211117

●ちらしからの引用

以下は、郵便局のチラシからの引用です。

************************************************************************************

見栄えより味を重視して栽培した「サンふじ」をお届けします。
 
防腐剤・ワックスは使用しておりません。洗って丸かじりできます。

「ふじ」と「サンふじ」はどう違うの?

りんごの木はどちらも同じもの。
違いはりんごの実に一つずつ袋をかぶせて
栽培したものを「ふじ」、
袋をかぶせないで栽培したものを「サンふじ」と呼びます。

*******************************************************************

以上引用おわり。


この説明は不十分です。
片や品種名、片や栽培方法だからです。
両方とも品種名はふじ、です

●言葉の関係性

植物名りんご、品種名ふじ

有袋栽培:有袋ふじ
無袋栽培:無袋ふじ(サンふじ)

ところが、いまや、山ノ内町内や中野市あたりで、
私が見て歩く範囲では有袋栽培のりんごなんてほとんど見かけません。

中野松川駅近くの一か所だけです。(下の写真)

りんごは全部、無袋栽培と言っていいくらいです。

ただ、「サンふじ」は、農協の上部団体である全農ながのの登録商標です。

中野松川駅近くで見れる有袋栽培のりんご ↓↓↓↓

珍しい有袋栽培りんご(中野市) 20211104
珍しい有袋栽培りんご(中野市) 20211104

●長野県庁の見解

長野県庁の園芸畜産課や農業技術課にきいても以下のとおりです。
 
長野県下ではりんごはほとんど無袋栽培です。
防腐剤もワックスも使用しません。

郵便局のチラシ(裏)2021年
郵便局のチラシ(裏)2021年

●自分たちのりんごだけが特別?

自分たちが扱うりんごだけが特別かのように、
書いてありますが、
 
長野県産りんごはほぼ無袋、ふじならサンふじです。

だから、サンふじだけを選んでお届けする、かのように
書いてありますが、フツーなのです。
むしろ、有袋栽培のふじのほうが珍しいくらいです。
 
・防腐剤やワックスの件
他のりんごは防腐剤やワックスを使用しているため、
洗っても丸かじりできないかのように、
見えますが、

基本的に、りんごは全部、防腐剤もワックスも使用しません。
農薬は使います。
※農薬については、30年以上農薬会社に勤務していた私から
また改めてお話しします。

●青森県のふじも、有袋栽培は全体の20%程度です。

●自分たちのりんごだけが、特別かのような書き方が、
あちこちであふれていますので、
注意しましょう。